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2024年2月 3日 (土)

スーパーリニアサーキット SCLA-01 検討9 ハムノイズ

Ham4

さらにハムノイズ検討です。

図のように水色の抵抗22kΩと電力増幅段におよそ3mA流すためのオレンジ色の抵抗5.6kΩを追加し、

電圧増幅段と電力増幅段を分離して

1.電力増幅段にハムノイズは乗るか?

乗った場合電力増幅段のコレクタ変動からハムノイズが侵入する。

2.電圧増幅段にハムノイズは乗るか?

電流増幅段用電源のリップルが電圧増幅段に影響している。

と原因を切り分けることにしました。

結果は2.でした。

なぜ電流増幅段用電源のリップルが電圧増幅段に影響しているか?
電源も完全に分離しているし。

 

 

 

Ham6

これはパイオニアm-Z1の回路です。レギュレータは電源回路となってまして、出力段のDC成分を検出すると打ち消すようにレギュレータの電位をコントロールします。ここの電圧変動は即座に出力に出てしまうので極めて純度が高い(ノイズが少ない)必要があります。

このレギュレータが電流増幅段のリップルの影響を受けていると考えられます。

 

Ham5 

そうか 電源リップルはデカップリングコンデンサC12,C13を通してレギュレータの電圧変動を起こしているのか。

レギュレータの電圧は最近購入した12bit オシロスコープ RIGOL DHO804でハムノイズがのってないことを確認したつもりですが、

GNDの変動ですので、どこをGNDとして波形観測するかが難しい所です。さらに出力に3mv程度のノイズということはアンプのGainが20倍程度ですので0.15mV程度のハムノイズとなります。さすがこれでは観測が難しい所です。

解決策としてC12,13を取り外しました。

ハムノイズはなくなりました。

CFA-02,DDCA-01にはC12,13があってもハムノイズは発生しませんでした。他の回路と違いとてもデリケートでした。

Ham7

C-Z1の解説です。上記のM-Z1のレギュレータと記載している部分についての説明です。

まず定電圧電源としてからDC成分が出力しないようにする2段階構成となっています。

Ham8

こちらはSLCA-01のダブルロックドサーボレギュレータです。赤く囲んでいる部分で定電圧化して、

青く囲んでいる部分でDC成分が出力しないようにしています。

 

 

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オーディオ」カテゴリの記事

コメント

確かに1mVを下回ってくるとオシロでの観測は難しくなってきますね。
トリガをLINEにして、64回平均表示するくらいでしょうか。オシロによって最小レンジが10mVだったりすると、もう無理ですし。

ハム退治できて良かったですね。
レギュレータ出力は電源系か信号系か迷うところでもありますね。
エミッタ接地回路のエミッタ(抵抗を介してGNDに接続)は信号系と見たほうが良さそうでもあります。

たかじんさん こんにちは

レギュレータ出力をどうするか考えてまして、
信号系のほうがいいと思っています。

レギュレーターの電圧変動が即ノイズとなることから、GNDには電流を流さないことが必須です。
SP出力とPGND間に終段トランジスタの発振防止用のCとRがありPGNDに電流が流れる。この電流はAB級アンプのスイッチングノイズ成分もあります。
このことから信号系GNDに変更しようと考えています。

つに さん

パイオニアの設計思想としてクリーングランドという手法があります。
簡単に言えば信号GNDに不要なノイズ電流を流さない用に部品レイアウトや回路パターン、そして構造まで含めてGNDに流れる電流を管理する手法です。

今回C12,13を取り外したことでリップル電流がGNDの共通インピーダンスに流れ、結果としてリップルノイズが発生していたのだと思います。
パスコン削除で電源インピーダンスが上がっていますので発振予防として0.1uF程度のフイルムコンを代わりにマウントした方が良いかもしれません。

同様な案件として三端子レギュレータなども入力パスコンのケミコンは独立したリップルリターンGNDパターンにして三端子の入力ーGND間に0.1uF入れると発振させないでリップルの影響を下げる事ができます。

発振防止のCRは結構電流が流れますのでGND接続先に気をつけないと音質と発振防止安定性に差が出ます。

構造的な点ではヒートシンクはパワートランジスタとストレーキャパシティでC結しており、ヒートシンクをシャーシにビス止めするとノイズ電流がシャーシ経由でリターンされます。
リターン経路途中に信号GNDとの共通インピーダンスがあれば影響を受ける事になります。
A級はオーディオ信号そのままなので飛びつきノイズは少ないですがAB級はカットオフによる高調波成分により飛びつきノイズが増加しますしD級は飛びつきまくりでヒートシンクはノイズまみれになります。
場合によってはヒートシンクを電気的に浮かせたり抵抗を介して接地するなどの対策も必要になってきます。

ネットで見つかる
pioneer_exclusive_m5_sm.pdf
記載のc-z1,m-z1からSLCの改良点の解説が参考になると思います

私の場合、ハム音などの残留ノイズ対策やるときは
ガルバニックな影響を避けるため一旦トランスで絶縁して
USBオーディオでリアルタイムにFFTしながら追っかけて見てます。
これだとハム音もその高調波も、ポップコーンノイズも熱雑音も個別に丸見えなので切り分けが簡単になって効率的に進められますよ。

Nfmさん

アドバイスありがとうございます。

SLCA-01を試聴していますが、屈託のないとてものびやかな音です。他のアンプでは出ないような気がしています。

とても滑らかで細かい音がよく聴こえることでボーカルは他のアンプより前に出る感じでピアノはうるささがないです。ただし無帰還アンプですので
ダンピングファクタの低さから低域はやや緩いといった感じです。

現在でもかなり満足していますが、電源からのノイズをより抑えたいところです。
アドバイスの通り、とにかくGNDに電流を流さないようにしないとノイズが発生してしまいますので、さらに検討いたします。

Icが2倍毎にvbeは18mV増加するみたい さん

私にとってずっと欲しかった情報でした。探していたのですが見つかってませんでした。
ありがとうございました。

SLC回路の電圧シフトをしなくてすむので今までずっと悩んでいた事が解消されそうな気がします。 SLC回路はオーバーオールの帰還がないことはもちろんですが、局部帰還を使用しないで歪低減をしている特殊な回路です。とてものびやかな自然な音がしてちょっと戸惑っているところもあります。ノイズをいかに抑えるかの検討も必要で、S/Nを必要以上に重視している会社などでは採用されないでしょうが。。。

HILO@町田 さん

アドバイスありがとうございます。

試聴中にスピーカーに耳を近づけるとスピーカーによってはまだ若干のハムと”フ―”といったような音が聞こえます。この音をFFTにて確認いたします。

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