電流帰還アンプ CFA-02 音質検討経過3
この回路の弱点はQ31,32,34,35で形成されるダイアモンドバッファ回路が無帰還であるので、帰還抵抗(R71,R72)の低い抵抗値をドライブしきれるか? 大電流でドライブする時に波形がなまってしまわないか? それが聴感として感じてしまうのでは?というのは設計当初から危惧してました。実際にパイオニアA-07等ではバッファーアンプをOPアンプで高帰還アンプとしていますので、その心配はありません。
このアンプのコンセプトとして電圧帰還部をもたない純粋な電流帰還アンプとしてますが、聴感として感じてしまっているので何等かの対策が必要です。雰囲気が欠如しているのはフォルテ時のリニアリティ、細かい音の情報の欠落があるのではと思っています。
その原因と考えられるのが、赤く囲んだQ34,Q35,R25,R26が大電流を出力する時にNFBがかからないために波形がなまってしまうからです。
そこでR4,R5の抵抗値を47Ωから22Ωにして、Q34,Q35に流れる電流を実測で1.8mAから3.6mA程度に増やしてトランジスタの出力インピーダンスを下げて非線形成分を減らすことを考えました。
これは2SC2240のvBE IC特性ですが、コレクタ電流が低い部分(10mA以下)の曲線に対してICを大きくすると直線に近くなります。
結果は
大成功でした。
以前は低音の楽器である、バスドラ、ベース、パイプオルガンの低音部等が量としては出ていたのですが、恐怖を感じさせる表現等が比較アンプに対して少なかったのが遜色なく出ています。
これでCFAの可能性が確認できたので、
新基板での検討をスタートします。
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良さそうですね。カレントミラーの電流も増えて励振段の電流も増えている感じでしょうか。
個人てきな経験値ですが励振段は4〜5mAくらい流した音が好きです。3段ダーリントンといえども電流の供給源はある程度必要なのか、励振段自体の特性なのかはハッキリしてませんけども。
頒布が楽しみです。
投稿: たかじん | 2022年8月29日 (月) 08時40分
たかじんさん
コメントありがとうございます。
そうですね。 カレントミラーの電流も同様に増えているのでその点で音質改善したのかもしれませんね。
歪率を測定しても差はほとんどないでしょうが、聴感では明らかに差がありますね。
アンプによる音質差はほとんどない。といった意見もありますが、検討中にはひどい音とも遭遇しているわけでして。。。
検討回路では2SC2240 など生産中止になったトランジスタで検討してましたが、新基板では入手可能なトランジスタで検討いたします。
DCサーボ回路はICソケットを使用しているので、各OPアンプの音質差がどのくらいあるのか等も検討していきます。
投稿: つに | 2022年8月29日 (月) 19時29分